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経営コラム

こんにちは!
美容室経営ラボでは、美容室のサロン経営情報を最も分かりやすく伝えることを心がけています。

本コラムでは、美容室で育毛を導入するケースが増えていることを受けて、育毛マーケットの実態をご紹介します。

育毛といってもどんな悩みを持ったお客様がいるのでしょうか?
薄毛で悩む方にどのような症状があるのかまとめてみました。

男性型脱毛症(AGA)

 

AGA(エージーエー)とは、Androgenetic Alopeciaの略で「男性型脱毛症」の意味です。成長毛が早期休止期に入って脱毛する休止期脱毛で、成人男性の前頭部や頭頂部の毛が一定のターンで薄くなるのが特徴で、早い人では、思春期を過ぎたころから発症します。
4 0 代の男性では発症率が30 % とされて、3人に1人ぐらいの割合で発症するわけで脱毛症としては、一番多い症状です。

びまん性脱毛症

 

地肌が広範囲に透けてしまう症状で、女性に比較的多く見られるタイプの薄毛です。
髪が薄くなる進行度合いは人それぞれですが、
・加齢によるホルモンバランスの乱れ
・ストレスによる自律神経の乱れ
・頭皮の血行不良
・過度なダイエットによる栄養不良
・病気による代謝異常
・間違ったヘアケア
などの原因により発生すると言われています。

女性男性型脱毛症(FAGA)

 

男性のAGAと同じように頭頂部の毛髪が比較的広い範囲で脱毛し、次第に地肌が目立つようになるのが特徴です。女性の場合は男性と異なり前頭部や角額の後退はなく、額が広くなったり、M字に脱毛したりする傾向は見られません。


更年期によるホルモンバランスの乱れが原因で、心身ともに男性ホルモンの影響を受けやすくなる為、FAGAを発症しやすくなるといわれています。

産後脱毛症

 

産前・産後のホルモンバランスが影響してなる脱毛症です。産前は量が増加、出産後にホルモンバランスが戻ることでしばらく抜け毛が増える場合があります。すぐに症状が出る方もいれば、数カ月以上たってからの方もいらっしゃいます。

ひこう性脱毛症

 

40代以降の高年齢層の女性に多い症状です。頭皮が乾燥し『フケ』が多く出るのが特徴です。 肉に偏った食生活、冷え性、手入れ不足が原因になるほか、本人の体質が大きくかかわってきます。

代謝異常性脱毛症

ホルモンバランスの乱れ、荒れた食生活、危険なダイエット、昼夜逆転した生活、薬物の過剰な摂取など、健康の乱れが原因となる脱毛症です。特徴としては、毛根が異様に細く、形が歪んでいたりします。症状が悪化すると毛根そのものが無くなってしまいます。

育毛のマーケットは4430億円

育毛マーケットがどの程度あるのか調べてみました。
株式会社矢野経済研究所によると、育毛(ヘアケア)の潜在マーケットとして4430億円あると記載されております。美容室全体の市場規模が約15000億円なので、約30%を占める市場と考えるととても魅力的な市場規模ですね。さらに美容室全体としてマーケットは縮小傾向の中、ヘアケア分野は微増できているところも可能性を感じます。

株式会社毛髪クリニックリーブ21が行っている調査「全国薄毛リスク調査2019」がありますので紹介します。

■「全国薄毛リスク調査」概要
※ 調査実施日:2019年7月30日~8月1日
※ 対象:全国の20歳以上の男女、各都道府県50名ずつ(計2350人)
※ 手法:インターネットによるアンケート調査

抜け毛・薄毛・脱毛が進んでいると思っている人は44%

これは総務省統計局の人口推計から算出すると、日本国内の20歳以上で約4,558万人の方が抜け毛・薄毛や脱毛において悩みを抱えていることになります。

薄毛になることを気にしている人は45%

「薄毛になることを気にしている(とても不安&不安)」とお答え方は 44.9%とのことです。薄毛になることの抵抗感は高いということが分かります。

自分の髪の毛に満足している人は22%

「満足している人が(満足&やや満足)」が22.4%。
「満足していない人が(不満&やや不満)」が35.4%。
今の髪の状態に満足している方の割合は少ない数値とのことです。

1日ヘアケアにかける時間は5分未満が55%

約20%の人がヘアケアをしていない。
37%の人がヘアケア5分未満のとのことです。
髪の毛には満足していないが、日頃のケアにはなかなか目が向いていない感じですね。

75%以上の人がヘアケアに月1000円を使っていない

ヘアケアにかける金額で0~1000円と回答した方が約75%とのことです。
思ったより少なく、筆者も驚いています。
お金を使う方とそうでない方ではっきり分かれるようですね。

強いストレスを感じること人が約70%

髪の毛の質問ではないですが、ストレスを感じている方は約70%とのことです。脱毛とストレスは密接な関係があるので、現代社会においてストレスを感じている人が増えている≒脱毛で悩む人も増えるという図式は当たっているのかもしれません。

脱毛・薄毛で悩んでいる人、今後不安を持っている人の多さが分かる調査結果でした。

育毛大手5社の動向をチェック

株式会社アデランス

創業:1969年
売上高:802億5800万円
資本金:129億4400万円
店舗数:国内529店舗,海外332店舗
従業員数:6,661名
サービス:ウィッグ,育毛,増毛

株式会社アデランスAderans Company Limited)は、日本にて創業し、世界に展開する総合毛髪のグローバルリーディングカンパニーであり、ウィッグの他、同社が展開する男性向け育毛・増毛サービスのブランド名でもある。名称はフランス語で「接着・付着」を意味する「adhérence」に由来するものである。

日本の育毛やウィッグ分野では圧倒的な売上を誇っています。海外にも332店舗展開していることにはとても驚きました。売上の比率も国内と海外でほぼ半々のようです。まさに日本のリーディングカンパニーというに相応しいと思います。

株式会社アートネイチャー

創業:1965年
売上高:379億8500万円
資本金:36億6700万円
店舗数:273店舗
従業員数:3,876名
サービス:ウィッグ,育毛,増毛

日本国内においては、毛髪製品ではアデランスとともにトップクラスの知名度とシェアを持つ。かつら製品の「ヘア・フォーライフ」では生え際のうぶ毛まで忠実に再現するなど、高い技術力を持った製品を製造している。女性向けかつらには「レディースアートネイチャー」を展開しており、オーダーメイドウィッグ「フリーディア」や、増毛サービス「ビューティアップ」、育毛コース等の展開を行う。
日本国内の売上を見ると、アデランスと同等クラスの売上規模を誇っています。アデランスとアートネイチャーがまさに日本の二大巨頭といったところでしょうか。

株式会社 毛髪クリニックリーブ21®

創業:1976年
売上高:194億円(〜2005年度)
資本金:4000万円
店舗数:31店舗
従業員数:480名
サービス:発毛

株式会社毛髪クリニックリーブ21(もうはつクリニック リーブにじゅういち)は、大阪府大阪市中央区に拠点を置く日本の頭髪に関するサービス業者である。社名に”クリニック”を付しているが、医療機関ではなくサービス業者である。従って、各種サービスもその範囲に限られている。全国各地にO.C(オペレーション・センター)と呼ぶ店舗展開を行っている。この内、新宿・日本橋・心斎橋の3カ所は、女性のみを対象としたレディースO.Cである。また、スタッフもすべて女性である。
CMなどでも有名なリーブ21。注目すべきポイントは会員数の推移です。リーブ21の施術を行う店舗に登録している数が年々上昇しています。

株式会社スヴェンソン

創業:1984年
売上高:107億円
資本金:9億1400万円
店舗数:78店舗
従業員数:769名
サービス:ウィッグ,育毛,増毛

株式会社スヴェンソン(英:SVENSON CO., LTD.)は、増毛製品やウィッグ、ヘアケア製品を製造販売しているドイツ発祥の企業。男性向けの主力商品、特許第3686998号技術のヘアウィービングシステム(編み込み式増毛法)は、特殊な3本の糸だけを使って頭髪部分に毛髪製品編み込んでいくスヴェンソン独自の技術。

株式会社バイオテック

創業:1985年
売上高:29億円
資本金:7400万円
店舗数:57店舗
従業員数:230名
サービス:育毛

1981年(昭和56年)1月に創業以来、「育毛一筋」をスローガンに、脱毛研究の原因究明に始まる「育毛システム」で業界初の特許(特許第1396867号)を取得。現在は東京、大阪、名古屋、福岡など全国に直営60店舗、フランチャイズ7店舗(2009年4月現在)の店舗網を持つ。

発毛クリニックと育毛サロンの違いとは

「検査結果に悩むドクター」の写真[モデル:Max_Ezaki]

最近ではAGAなども頻繁に聞かれるようになってきましたが、「発毛クリニック」と「育毛サロン」の違いは何なのでしょうか?

発毛クリニックは医学的に発毛をサポートしている医療機関となります。発毛に特化した医療施設となっており、国家資格を有する医師が在籍しています。治療方法も薬の処方が可能となり、医学的な治療が提供されています。

育毛サロンは、医療機関ではないので育毛効果を明確に打ち出すことはできず、あくまでも「頭皮ケア」としての施術に含まれる形になります。

印象としては
発毛クリニックは「本気で薄毛を直したい」というコンプレックス改善
育毛サロンは「少し薄毛が気になってきたので今のうちに」という予防
で使用される傾向が強いです

それぞれ特徴がありますので、用途によって使い分けられていますね。

美容室が育毛を導入するメリット

美容室が育毛を導入するメリットは何があるのでしょうか?
育毛を導入しているサロンの声を参考に3つのメリットでまとめてみました。

メリット①アッパーの生産性を大きく上げることができる

 

美容室の1回当たりの平均単価は約7000円程度です。
育毛の金額は1回当たり10000~30000円程度となります。
施術時間はどちらもほぼ一緒です。
育毛施術の方が時間当たりの生産性が1.5~4倍程度高い計算になります。

美容室の王道メニューであるカットやカラーでは、差別化することが難しくどんどん低価格化が進んでいます。分単価の高い育毛メニューの割合を増やすことで、美容室の平均生産性である50~60万の壁に対し、100万円超の生産性を今の働き方の延長で達成することができます。

美容師の働き方を変えるには、時短などの努力も必要ですが、根本的なメニューを入れ替えることが最も早いですね。

メリット②アシスタントを雇用したままでも給与改革ができる

 

美容室では大きく「アシスタント採用型の教育サロン」と「スタイリストだけが所属する業務委託系サロン」2つの形態のサロンに分かれています。

生産性の高いスタイリストだけの業務委託サロンの給与還元率は40~50%
一方でアシスタントも雇っている教育サロンのスタイリスト還元率は20~30%程度となります。

結果的に給与還元率の良い業務委託系サロンに移りやすくなるのが今の美容業界の特徴といえます。教育サロンも給与を上げたいところですが、アシスタント初任給がどんどん上がるので、スタイリスト給与の原資がなくなり続けていきます。

育毛はアシスタントでも生産性を大きく改善できるメニューの一つなので、スタイリストの給与改革にうってつけのメニューと言えます。

メリット③美容師以外でもできるので人材関係で悩みにくい

 

育毛の最大のメリットは美容師免許が不要ということです。これは美容室を経営する方にとってはとても大きいことだと思います。
事実、整骨院やエステサロンでも育毛を導入するところが増えています。



美容師は極度の人材難ですので、非資格者が生産性を上げられるということは人に対する悩みを小さくすることができます。美容室の中ではレセプションの方でも施術ができるということになりますので、育毛は美容室ビジネス自体を大きく変えられるだけのインパクトのあるメニューですね。

育毛事業で売上を上げるコツとは

では、最後に美容室で育毛事業を立ち上げていくために抑えるべきポイントをお話します。

育毛商材を決定する

一番最初に導入する商材を決めましょう。現在の流行りはヒト幹細胞培養液です。ヒト幹細胞培養液一つとっても、産地の違い、摂取するものの違い、ハーブを配合しているものなど異なりますので、一度いくつかのメーカーに問い合わせてみるのがおすすめです。

メニュー・コースを決定する

導入する育毛商材が決まったら、メニューとコースを決めます。
メニューとコースで売上が決まると言っても過言ではないので、とても大事です。
・集客する時のメニュー
・継続的に通っていただくためのコースメニュー
の2つは必ず決めて頂くのがおすすめですね。イメージとしてはエステの脱毛や痩身のメニュー設計に近いです。

メニューの原価、競合状況も見ながら価格帯を決めていくことは必須です。

販促方法を決定する

育毛はホットペッパービューティー等の広告媒体では基本的にNGですので、既存のお客様のご案内、ホームページやPPC広告を活用して集客をしていく形が多いです。

育毛と直接検索する人は少ないので、薄毛や抜け毛などのキーワードでも拾っていけるようにしていくような工夫が必要ですね。

支払方法を決定する

意外と抜けるのが支払い方法です。
育毛では、一般的な美容室の場合のように都度払いではなく、コース契約にすることが多いです。

コース契約の場合は役務消化対応ができるクレジット決済会社、そしてローンを組むことができる信販会社と組む必要があります。

支払い形態を増やすことで契約率が上がるので、押さえておくべき事項です。

オペレーションを決定する

育毛施術は、知識や施術内容が信頼性を高める要因となります。
初回来店の時にいかに信頼して頂けるかが勝負の分かれ目になりますので、育毛用の来店フローとトークは固めておいた方が良いです。

美容室の場合はすでに接客レベルは高いですが、「販売する接客」は大きく異なります。数十万円するコースを販売することに抵抗を感じるスタッフも多いので、そのあたりの心理的ハードルを取り除くためにきちんとロープレをして実行していくことをおすすめします。

以上です。
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